なぜ、ツール選定が重要なのか
会計ソフト選びは、システム開発における「フレームワーク選定」に似ています。 独自仕様の強いツールを選んでしまうと、最初は楽でも、後から乗り換える際のコスト(学習コスト・移行コスト)が甚大になります。
当事務所では、以下の3点を重視して技術選定を行いました。
- 標準規格(Standard): 業界標準の「複式簿記」に準拠しているか。
- 拡張性(Scalability): 給与計算や経費精算など、周辺業務までカバーできるか。
- エコシステム(Ecosystem): 他の専門家(社労士など)との連携が容易か。
3強ツールのアーキテクチャ比較
| 評価軸 | Money Forward 推奨 (Standard) | freee会計 独自仕様 (Unique) | 従来型ソフト インストール型等 |
|---|---|---|---|
| 設計思想 | 標準規格 (複式簿記) | 独自規格 (取引ベース) | 標準規格 (伝票入力) |
| 拡張性 |
◎
給与・請求書等が 基本料込みで使える |
○
給与等は別プラン 追加費用がかかる場合も |
△
インストール型主体 連携に弱い |
| 習得スキル |
○
どこでも通じる 「簿記」が身につく |
△
freee独自の 操作知識が必要 |
○ 簿記知識が必要 |
| 専門家連携 |
◎
多くの税理士・ 社労士が対応可能 |
△
freee専門の 認定アドバイザーが必要 |
○
ほとんどの 税理士が対応可能 |
※freeeのメリット: 「タグ」機能による柔軟な集計や、簿記知識ゼロでもスマホで完結するUIは非常に優秀です。
※MFのメリット: 裏側のデータ構造が標準的(複式簿記)であるため、習得した知識が将来の経営分析(デバッグ)に活かせます。
「独自仕様」によるロックインを避ける
標準プロトコルを学ぶ
freeeは革新的ですが、その「独自概念(取引、タグなど)」は、会計の標準ルールとは異なります。 エンジニアのキャリアと同様、特定のツールでしか通用しない知識(ベンダーロックイン)よりも、「ビジネスの共通言語」である簿記・会計の構造を理解できるツールを使うべきだと考えます。
経営のデバッグ能力
MFクラウドであれば、システムが生成する仕訳が透明であるため、ご自身で決算書(B/S, P/L)の構造を理解し、正しい経営判断(デバッグ)を行う能力が自然と身につきます。 これは、どのフェーズに行っても通用する普遍的なスキルです。
将来の拡張性とコスト
# 追加コストなしで「バックオフィス全体」を構築
システム開発で言う「オールインワン・パッケージ」の強みです。 MFクラウドは、会計だけでなく「請求書」「給与計算」「経費精算」「勤怠管理」などが、基本料金内で(または非常に安価に)セット利用可能です。
# 将来のコストを最小化
事業が拡大し、従業員を雇うフェーズになると、社会保険労務士(社労士)との連携が必須になります。 現在、ITに強い社労士の多くが「MFクラウド給与」を採用しています。
会計と給与をMFシリーズで統一しておくことで、別ソフトを契約する追加コストや、専門家を探すための調整コストを最小化できます。