ここでは会計事務所向けITサポートの事例として、設立届の自動作成について少し具体的にお伝えします。
画像を見て頂くことでイメージしやすいかと思います。
他の事例などはこちら↓(簡単にご紹介しています)をご参照ください!
設立届の自動作成(RPA)の概要
勤務先がスタートアップに注力している事務所でした。
そのため、法人の設立届一式(国・地方の設立届、青色、延長、納特など)を作成する機会が多く、時間を要していました。
申請には達人を使用していたので、Windowsアプリの自動化としてRPAを採用。
もちろん事前に顧客の情報を所定のExcelフォーマットに入力してもらう必要はありますが、何度も同様な情報を入力する手間もなく、ミスなく届出することができるようになりました。
成果物(法人設立届出書等)のイメージ
ここではロボットが作成する成果物のイメージを紹介します。達人のサンプルデータを使用しています。
一部はサンプルデータなしだったため、中身がスカスカな書類もございます。
なお、利用者識別番号(国税)、利用者ID(地方税)はweb申請して事前取得していました。
また、当時は消費税に関する届出は作成対象外でしたが、インボイスの今では作成対象とすべきでしょうね。
成果物①基本情報
それぞれの届出書を入力する前に、共通的な情報は基本情報として入力を済ませます。
達人では、基本情報として、以下の4個のタブを入力します。
成果物②法人設立届出書(国)
ここからは個別の届出書等のイメージです。
基本情報を設定しておくことで、自動反映される項目も多いです。
とは言え、多数の入力があって煩雑です。だからこそ自動化に価値があります。
そのイメージを湧かせて頂けますと幸いです。
成果物③法人設立届出書(都道府県、市町村)
成果物④青色申告の承認申請書
成果物⑤給与支払事務所等の開設届出書
成果物⑥源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
成果物⑦申告期限の延長(国)
成果物⑧申告期限の延長(都道府県)
成果物⑨申告期限の延長(市町村)
使用したIT:RPA
設立届等の自動作成のために使用したIT技術はRPA。
具体的にはEzRobotです。
こちらは勤務していた会計事務所にて購入していました。
そのため「EzRobotを使用したロボットを作成して欲しい」という要望を受けました。
自動化に必要なもの
設立届等の自動作成のために以下のものを準備して運用しました。
なお、事前に業務を整理して、①何を人が準備して、②何をロボットが担当するのか、検討することが重要です。
当時は以下の整理としましたが、決して唯一の正解ではありません。
①利用者識別番号等
国税の利用者識別番号、地方税の利用者ID。
それぞれwebサイトから担当者が申請して番号を取得するという、従前の流れを踏襲しました。
②データ管理の達人
お客様の基本情報は担当者が入力するという、従前の流れを踏襲しました。
③ロボット入力用Excel
ロボットに自動作成してもらうとは言え、届出書に入力する項目値をロボットに教える必要があります。
それらの値は担当者がExcel入力します。
そのExcelをロボット運用者の私が引き継ぎます。
④ロボット作成
入力Excelを元に届出書を自動作成するロボットを作成します。
この作業は他と違って、一度きりの事前の作業です。他は都度の作業です。説明の便宜上、ここに入れました。
RPAソフトEzRobotで作成しました。
⑤ロボット実行
担当者から引き継いだExcelに不備がないか、運用者である私が事前確認します。
問題ないことを確認した後、ロボットを実行します。
実行した後、届出書等が正常作成できたことを担当者に伝えます。
⑥電子申告
担当者は作成された届出書等を電子申告の達人に取り込みます。
そして電子申告します。更には受信通知を取得する等して、お客様に納品します。
考察(当時のやり方は最適?)
本業は会計・税務でしたので、この自動化は片手間の作業でした。
達人の仕様も不明(それまで使用したことがなかった)でしたし、ロボットソフトの指定もありました。
その中で、当時の実装が最適(に近しい)な方法だったかは怪しいですね。
- 利用者識別番号等の取得も自動化できるでしょうし、
- データ管理の達人への入力も自動化できそう。
- ロボットもEzRobotに拘る必要はありませんし、
- 達人へ登録する方法が他にあるかもしれません。
- そもそも達人に拘る必要さえないかもしれません。
そういうわけで、今、お客様から依頼を受ければ、要望に応じつつ、おそらく別の案を提示するでしょう。
まとめ
会計事務所におけるIT実績の一つとして、設立届の自動作成(RPA)を紹介しました。
イメージをたくさん紹介したので、何となく手動が煩雑そうで、自動化が役立ちそうに感じ取れたのではないでしょうか?
考察にも記した通り、当時の事例は最適なものとは思っておりません。
今なら、お客様の要望に応じた、別のものを提案するでしょう。
この事例に限らず、会計事務所のITサポートにご興味ある方。
お問い合わせ頂けますと幸いです。