ここでは会計事務所向けITサポートの事例として、給与明細の会計取込用データ作成について少し具体的にお伝えします。
少量ではありますが画像を交えて紹介するので、事例をイメージできるかと思います。
他の事例などはこちら↓(簡単にご紹介しています)をご参照ください!
会計取込用データ作成(給与明細)の概要
お客様は多店舗展開している会社。店舗ごとの給与明細Excelが提供されました。
このExcelは印刷用として1シートに3人分の給与情報が含まれていて、これを複数ブック/複数シート分、会計入力していました。
この作業について、会計取込用データを瞬時に作成することで省力化を実現しました。
従来の会計取込用データ作成
入力と出力それぞれをお伝えします。
入力:給与明細(お客様から提供)
入力は、お客様から提供される給与明細です。
印刷・従業員提供用(と思われる)Excelが提供されていました。
ブックは、店舗ごと。
それぞれのブックには、
- 複数のシート
- シートごとに複数の給与明細(最大3人分)
の情報を含みます。
出力:給与明細集計(入力を集計)
給与明細を個々に会計入力するのは手間です。
店舗ごとに給与明細の金額を集計します。その集計結果を会計入力します。
しかし、この集計作業自体が手間です。
お客様提供の給与明細を入力に、会計事務所スタッフが「手動」で集計していました。
画像(左と右は同一のもの。右はセルの数式を表示)の通り、明細の個々の金額欄には、ベタで加算(複数シートに跨る複数セルの足し算)の式が埋め込まれています。
これを店舗(Excelブック)ごとに手動で集計しているわけです。更には毎月です。
すごく手間がかかっていることを理解して頂けたのではないでしょうか?
見直した会計取込用データ作成
入力は従前と同様です。
出力も「見た目」は従前と同様です。
ただし、金額欄に埋め込む内容に違いがあります。
仕掛けとしては、
- 複数のシートごとにある複数の給与明細について、一つのシートに縦に並べて
- その内容を反映するよう、出力用Excelの関数に埋める
だけ。
と言っても、この説明でイメージするのは難しいかもしれません。ごめんなさい。
とにかく、この仕掛けによって一瞬で従前と同様の出力を得ることができるようになりました。
使用したIT:Excelマクロ
給与明細の会計取込用データ変換のために使用したIT技術はExcelマクロ。
お客様から提供されるデータがExcelだから無難な選択ですね。
ポイントは、
- 複数シート+複数明細を一つのシートにまとめる作業はExcelマクロに委ねて
- まとめたシートを集計して出力する作業はExcel関数に任せた
ことです。
同じExcelと言っても、マクロが得意なこと・関数が得意なことは違いますから、うまく機能分担することが大事ですね。
考察(当時のやり方は最適?)
今回のやり方が最適解かと尋ねられれば、答えはNo。
本来はお客様より生の給与データを提供できないか調整すべきところです。
提供してもらえれば、マクロは不要で、ちょっとしたExcel操作だけで片付く問題かもしれません。
今回のケースでは、お客様も含めて関係者のITリテラシに不安があったため、事例のような対処としました。
正解は一つではありません。そのときの状況によって選ぶ答えは違ってきますね。
まとめ
会計事務所におけるIT実績の一つとして、給与明細の会計取込用データ作成(Excelマクロ)を紹介しました。
従前の手動による方法が手間であること、Excelマクロ使用により業務効率化を果たせること、それぞれイメージできたのではないでしょうか?
この事例に限らず、会計事務所のITサポートにご興味ある方。
お問い合わせ頂けますと幸いです。