ここでは会計事務所向けITサポートの事例として、会計データ移行について少し具体的にお伝えします。
少量ではありますが画像を交えて紹介するので、事例をイメージできるかと思います。
なお、説明には弥生会計サンプルデータを用いますが、他の会計ソフトでも同様に移行できる場合がほとんどです。
他の事例などはこちら↓(簡単にご紹介しています)をご参照ください!
会計データ移行の概要
お客様は税理士の乗り換えでした。
前任の税理士から、会計ソフトのデータはもとより、仕訳データのExcel提供もお客様は拒絶されていました。
前任より仕訳帳pdfは提供されていたため、これを元に会計ソフトへ移行しました。
なぜデータ移行するのか?
いろいろな理由があると思いますが、一例として。
税理士変更の場合、前任の会計事務所から過去の仕訳を頂戴するでしょう。
お客様からすれば、過去の会計と同様に処理して欲しい(無駄な質問・回答はしたくない)ところ。
そのため、過去の仕訳を参考にするのですが、仕訳帳pdfを参照するより、やはり会計ソフトに取り込んだ方が参照しやすい。
また、仕訳帳pdfを見ていると明らかに怪しい(ミス)入力を見つけるケースも。
そういうとき、適切な会計の状態に正したいのですが、仕訳帳pdfで過去のミスを追跡するのは面倒。
となると、やはり会計ソフトに取り込んで追跡した方が、全体の効率は良いと言えるでしょう。
入力と出力(何を元に何を作成するのか)
出力:会計ソフトに取り込める形式のcsvファイル
出力は、例えば弥生会計の仕訳インポートcsvです。
これを作成できれば、後の作業は弥生会計に取り込むだけです。
入力:お客様(前任の税理士)提供の仕訳データ
入力は、例えば仕訳帳pdfです。
csvやexcelの方がもっと簡単に扱えますが、今回扱うpdfでもデータ移行は可能です。
入力⇒出力への加工手順
では、入力の仕訳帳pdfを会計インポートcsvに変換するには、どのような手順を踏めばいいのでしょう?
①pdf⇒excel変換
まず、pdfをexcelに変換します。
私はacrobat有償版を契約していませんが、他にも変換する手段はあります。
例えば、wordでpdfを開いた後、wordをexcelにコピペする方法など(上手く変換できない場合もありますが)。
②excel⇒csv変換
作成したexcelを完成形の会計インポートcsvに加工していきます。
ここで、注意したいポイントは、例えば
- セル内に複数項目の情報を含む(セル内改行がある)こと
- 税区分が何行目(2行目?3行目?)にあるか定まらないこと
- 摘要にインボイス等の情報(区分100%や適格100%など)を含むこと
など。
上記の注意点は、データを観察しつつexcel機能(操作、関数、マクロ)を使用して解決していきます。
また、excel機能では解決が難しい場合、プログラムを組むなどで対応します。
実際に対応したときは、インボイス前でしたので、ポイント3点目の留意点はありませんでした。
このとき、excelマクロまでで対応完了しましたが、今はプログラムを組む必要があるかもしれません(マクロもプログラムですけどね)。
使用したIT:Excel機能(マクロなど)
会計データ移行のために使用したIT技術はExcelの機能全般。
メニューにある機能はもちろん、関数を使ったり、マクロを使ったり。
ちなみに、マクロと言っても使い捨て。
会計データ移行は頻繁に発生する事業ではありませんし、要件も異なります。
そのため、様々な状況に対応できる汎用マクロを作成する必要はありません。
通常の操作や関数では対応しきれない部分だけを、マクロに助けてもらう感じです。
更には、マクロでも困難(他のプログラム言語では簡単)な場合、他の言語を使用すれば良いでしょう。
まとめ
会計事務所におけるIT実績の一つとして、会計データ移行(Excelマクロ)を紹介しました。
今回の事例では、仕訳帳pdfを取り込む方法でしたが、単純に会計ソフト間(あるいは元がexcel)のデータ移行のケースも多いでしょう。
その場合でも、そもそもネックとなるのは、新旧ソフトのインポート等のデータ定義書が読めないことかもしれませんね。
この事例に限らず、会計事務所のITサポートにご興味ある方。
お問い合わせ頂けますと幸いです。